保育お役立ちコラム
【保育士の1日の仕事内容~意識しておくポイントとアドバイス篇】
保育士の仕事は、子どもたちの成長をサポートする大切な役割を担っています。
この記事では、保育士を目指す方や保育施設で働きたい方へ、ベテラン保育士の経験談をもとに、保育士の仕事の1日の流れの例と、意識しておくポイントについてお伝えします。
働きたい園・興味がある園がある方は、園見学をして実際の1日の流れを確認してみてくださいね。いばらき保育人材バンクでは随時、施設見学の申込を受付中です。
■朝の準備:子どもたちを気持ちよく迎える準備
保育士の1日は、子どもたちを保護者から預かる準備から始まります。
窓を開けて空気を入れ替えたり、保育室や園庭・園の周りを掃除したり、衛生的な環境を整えるのも大切な仕事です。また、園庭の固定遊具をチェックしたり、砂場のシートを外して用意したりと、子どもたちが安全に遊ぶための準備を整えます。
掲示物の更新、玄関の整備、消毒なども忘れずに行い、前日からの引継ぎもチェックしていきます。
●ここでのポイント!:
「『今日は子どもたちとこんな事をして遊ぼうかな?』『子ども達とこんな遊びを一緒に楽しみたいな』と、子どもたちが元気に遊ぶ様子を思い浮かべながら準備するのがポイントです」
「朝の準備は、子どもたちが1日を楽しく過ごすために必要で、ここでの工夫が子どもたちの笑顔に繋がります」
■登園:笑顔で受け入れが重要~保護者とのコミュニケーション
子ども達が登園してきたら、視診・触診、検温などをはじめ、保護者から子どもたちの体調などを伺い、健康状態のチェックをします。
保護者からの連絡事項があれば、他の職員とも共有します。
登園後、子どもたちは好きな遊びをはじめます。保育士は全体を見守り、トラブルや怪我がないように目を配りながら一緒に遊んだり、子どもたちが楽しく安全に過ごせるようにします。
●ここでのポイント!:
「登園時は子どもたちをあたたかな笑顔で迎え入れる事が大切。子どもたちの緊張もほぐれ、安心して保育園での1日をスタートする事ができますよ」
「朝から喧嘩をして機嫌が悪い、食欲がなく朝食を食べていない…なども重要な情報です。
この時間は、保護者とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築く貴重な時間です」
■午前の活動:保育士も子ども達と一緒に楽しむ事が大切
子ども達が登園したらクラスごとに朝の会を行い、朝の歌を歌ったり出席確認をしたりして、その日の活動内容を子どもたちに伝えます。
午前中の活動では、保育士は子どもたちの発達に合わせた活動計画をもとに、設定保育や外遊び・散歩など、クラスの月齢に合わせた活動が行われます。活動内容の自由度は園の方針により異なります。
運動遊びや行事に向けての取り組み、製作活動などを、子どもたちの豊かな感性を育む時間を過ごします。
●ここでのポイント!:
「朝の会はクラスでの活動をスタートするための大切な活動です。楽しみやワクワクを伝え、一日の期待感を持ってもらえるようにするのがコツです」
「活動の際は『きちんとやらせなきゃ』『指導しなきゃ』という気持ちはNG。保育士の気持ちの余裕のなさは、子どもに伝わってしまいます。子ども達と一緒に活動を楽しみ、一緒に喜びあいながら進めるのがポイントですよ」
■給食の時間:食べるって楽しい!を伝えよう
給食は、子どもたちが友達と楽しく食事をする貴重な時間。
0歳児クラスでは月齢により食べられるものに差があるため、個々の成長にあわせた離乳食を提供します。
1歳児以降の給食についても、個々の成長やアレルギー対応など必要に応じてきめ細かな配慮を行います。
●ここでのポイント!:
「保育園の給食は毎日の食育で、みんなで食べることで、食事の楽しさや大切さを学んでいきます。食べることが苦痛にならないように意識した関わりをしていくのがポイントです」
★0歳児クラス
「離乳食では食材の大きさや柔らかさ、調理方法は一人ひとりの発達段階に合わせて調節するため、給食の先生(栄養士、調理員)との連携が求められます」
★1歳児~2歳児クラス
「この時期大切なポイントは、子どもたちが自分で食べられるようにフォローし、自分で食べる機会を増やしていくことです。自分で食べるという小さな成功を重ねていく事で、次第にスプーンや食器の使い方が上手になっていきます」
「子どもたちが安心して食事を楽しめるよう、温かい見守りが必要ですね」
★幼児クラス以降~
「食事を楽しみ、自分から進んで食べる気持ちが育つように関わることがポイントです。バランスよく食べられるように声をかけたり、食事のマナーを伝えながら進めていきます」
■お昼寝の時間:子ども成長を振り返る
給食が終わると、子どもたちはパジャマに着替えてお昼寝の時間。
お昼寝中は保育士が子どもの様子を見守り、安全を確認します。
●ここでのポイント!:
「寝る前は、絵本の読み聞かせなどを行ってリラックスできる環境をつくります。特に乳児クラスでは、保育士が子どもたちの背中をトントンと優しく撫で、安心して眠れるように寄り添います。また、快適に眠れるように空調の調整にも細心の注意を払います」
■降園準備:帰りの会では明日への期待感を
お昼寝が終わると子どもたちはゆっくりと目覚め、トイレや着替えを済ませます。
午睡明けのおやつの時間は子どもたちが楽しみにしているひととき。エネルギーをチャージしながらお迎えまで元気に過ごします。
おやつを食べ終えたら、着替えや連絡帳・食器や水筒など持ち帰るものをまとめ、帰りの準備をします。幼児クラスでは、帰りの支度を自分で出来るようになります。
帰りの会では、歌を歌ったり、今日の楽しかった出来事を共有して、一日を締めくくります。
●ここでのポイント!:
「午睡明けは、各々のペースでゆっくり目覚められるようにするのがコツです。
徐々にカーテンを開け、ゆっくりと光を採りこんだり、まどろむ時間も大切。機嫌よく起きてくれれば、その後の着替えやトイレなどがスムーズに進みます」
「今日も楽しかった・充実していたと感じられる関わりをする事、明日もいっぱい遊びたい!と思えるような期待感・ワクワクが持てるようにする事が大切です。明日も笑顔で保育園にきてほしい、そんな思いで進めてくださいね」
■夕方の時間:お迎え時間は保護者との信頼関係構築のチャンス
帰りの会が終わった後は、子どもたちは好きな遊びをしたり、外遊びを楽しみながら保護者のお迎えを待ちます。
この時間は、リラックスして過ごしながら、保護者との再会を待つ大切なひととき。
保護者のお迎えがきたら、一日の様子を詳しく伝えて送り出します。
●ここでのポイント!:
「夕方の時間は子ども達の疲れも出てきて、集中力などが下がるのでケガやトラブルも多くなりがち。子どもの様子を見たり、トラブルが起きそうな状況を常に意識して見守っていくのがポイントです」
「お迎えの際に子どもを引き渡すタイミングは、保護者と信頼関係を築いていくとても重要な時間です。その日の子どもの様子を丁寧に伝え、体調や気分の変化、些細なことでも積極的に話すことで、保護者に安心してもらえますよ。保護者が保育士に気軽に相談しやすい環境・信頼関係を継続的に作っていく事がポイントです」
■業務終了:保育園の片付け・清掃~明日の保育に向けて
子どもたちが降園した後、保育室の片付けや清掃を始めます。
おもちゃや教材を整理整頓し、遊具や保育室の消毒も行います。
その後、園全体の戸締りや安全確認を行い、施設内に危険がないかをチェック。
業務日誌や日報を作成し、子どもたちの様子やその日の業務内容を記録することで、他の職員との情報共有を行い、翌日に備えます。
●ここでのポイント!:
「戸締りや後片付けなどは、衛生的で安全な環境を保ち、翌日も子どもたちが安心して過ごせるようにするための大切な仕事。清掃や整理整頓を行う中で、子どもたちがその日一日どのように過ごしたかを振り返ることができる時間でもあります。次の日の子どもたちの笑顔や成長に繋がっていく…ということをイメージしながら進めるのがポイントです」
「共有事項の伝達や事務作業は次の日をスムーズにスタートするために必要です」
■まとめ
今回、保育士経験者の生の声をもとに、保育士の仕事の1日の流れの例とポイントをお伝えしました。
時には大変なこともありますが、子どもたちの成長を見守る喜びや、日々のやりがいがたくさん詰まっています。
保育士を目指している方や、保育施設で働きたい方は、ぜひこのやりがいある仕事にチャレンジしてみてくださいね。
また、冒頭にも記載しましたが、実際の仕事内容や教育・保育の特色は園や地域によって違いがあるので、働きたい園・興味がある園がある方は、ぜひ園見学をして実際の1日の流れを確認してみてくださいね。いばらき保育人材バンクでは、随時園見学の申込を受付中です。