保育お役立ちコラム
【保育士の1日の仕事内容~やりがい篇】
1日進むごとに成長して変わっていく子どもたちを間近で見守る保育の仕事には、唯一無二の魅力があります。
今回は、保育士経験者の生の声をもとに、保育の仕事の魅力を1日の流れの例とともにご紹介します。活動内容は園の教育・保育方針や特色により大きく異なるので、あくまで一例ですが、保育士を目指す方・興味がある方の参考になれば幸いです!
〇登園(7時半~9時)
電話対応、登園した子どもの体温チェックと体調確認、遊びの準備や掃除が主な朝のお仕事です。
「遊びの準備や掃除は前日の遅番の方が済ませてくださっていることもあります」
「『おはようございます』の挨拶を日に日に元気に言えるようになったり、乳児さんは段々と言葉になる姿が見える貴重な時間です」
「靴の脱ぎ履きも日を重ねるにつれて出来るようになる姿は何度見ても感動します」
「はじめは泣いて登園する子も、保育士に慣れてきてお母さんに『いってらっしゃい!』と元気良く手を振ってくれる姿を見れた時は、自分を信頼してもらえた!という感動で胸がいっぱいになります」
保育の中で一番嬉しい瞬間は朝のこの瞬間だと語る方もいらっしゃいます。
〇朝の活動(9時半~)
全園児が揃ったら、遅出の先生が出欠のチェックを行い、連絡なしで欠席している子がいないか確認します。
確認を終えたらお片づけをし、朝の体操をします。
「音楽は月ごとに保育士が考えます。子どもの好きなリズムや動き、季節にあった音楽になるよう工夫します。子どもと一緒に『どんなポーズがいいかな?』と色んなポーズを考えるのも楽しいです」
乳児さんは「ばぁ!」と一緒に声を上げるとさらに楽しさUP☆
遊びの中や、子どもとの会話の中でダンスや体操の曲を決めるのも楽しさの一つです。
身体を動かしたあとは水分補給をして朝のお歌。
園で歌った曲をお家で歌ってくれるようになった!と保護者から聞けた時は、「子どもに楽しいと思ってもらえた」という充実感を覚え、次のやる気に繋がります。
〇設定保育(10時~11時)
週案などの保育計画に沿って、制作、散歩、運動遊び、感触遊び、リズム遊びなどを行います。
♪散歩・外遊び
散歩ルートを他の保育士に伝え、「散歩票」に行く時間、帰る時間、行先、目的などを記入します。
「はっきり言葉を発せる年齢の子どもたちは、先生と一緒に行き先を決めて『〇〇公園へ行ってきます!』と園長先生へ報告のみで出発する時もあります」
「保育士自身も、『いってらっしゃい』と園長先生や他の先生に言ってもらうことで、散歩に行く楽しさを子どもと一緒に味わうと共に、保育士同士の結束にもつながります」
♪室内遊び
「ピアノの曲に合わせて動物や虫になりきるごっこ遊びや、既存の曲をスピーカーから流し、曲に合わせて踊る遊びをします」
保育士は見本となって元気よく身体を動かします。
動いた後は、休憩としておままごとやお絵描きなどの遊びへ移行します。
「室内遊びは主に動く遊びと、静かな遊びがセットになっています。体力に自信のない保育士でも、こうして座る遊びをセットにすることで仕事への負担を減らすことにもつながります」
♪制作
「指先を使うことは発達を促すと共に、個人の発達の様子を観察する機会でもあります。
そのため、たっぷり時間を使って絵の具、クレヨン、はさみ、のりなどを用いて、その月の季節に合った制作を行います。子どもたちが、日に日に出来ることが増える姿を見られるのは最高の楽しみです」
「できた作品は、幼児さんたちとは一緒に飾り、乳児さんには持って帰って貰うことが多いです。親御さんたちに見せる楽しみや喜びを一緒に味わい、『すごい!』と褒められて喜ぶ子どもの笑顔を見るのも幸せです」
☆設定保育と自由保育
お話を聞いた保育士経験者の園では、日中の活動は設定保育が主流であり、「その週の週案を書いた保育士が全体を引っ張る役目を担った」とのことですが、園の教育・保育方針によって設定保育の方法は異なります。また、園によっては設定保育は行わず、子どもの自主性に重きを置いて、活動内容を決めずに自由に遊んでもらう「自由保育」を採用しているところもあります。園選びの参考としてみてくださいね。
〇昼食(11時半~12時頃)
沢山遊んだら、トイレや手洗いなどをすませて昼食の準備をします。
「調理員から給食を受け取り配膳します。保育士が一番子どもたちの好き嫌いや食べる量を把握しているので、基本は同じ量を配りますが、できるだけ完食できるよう、必要に応じて量を調節します」
「保育士が一緒に食べる場合、よく噛む姿を見せたり『美味しいね』と声をかけます」
「苦手なものを頑張って食べてくれた時、感動します」
〇午睡(12時半~15時)
お昼寝の時間です。着替え、保育室の掃除、布団の用意をします。
お昼寝前の習慣として、絵本を読んだり歌を歌う園もあります。
「子どもの注意を引くために手遊びをしたり、1冊で間が持たないときは2冊にしたり、紙芝居を読んだりと、子どもたちが飽きなくて落ち着いた時間を作ります」
布団の準備が出来たら皆で「おやすみなさい」のご挨拶。
「布団に入った子どもたちの中で、トントンが必要な子は傍に寄り添ったり、乳児さんは添い寝をしたり抱っこをすることもあります」
「思わず写真を撮りたくなるような可愛い寝顔が並ぶ姿は保育園でしか見られない貴重なひと時です」
☆午睡中のお仕事
・午睡チェック
乳児は呼吸のチェックが必要なので、年齢にあった間隔(5~15分)で、保育士が分担して呼吸チェックをします。うつぶせ寝にならないよう、乳児の体の向きを確認して記録します。うつぶせになりそうな子の体をそっと動かすのが一番大変な作業、との声も。
・保育日誌の記入
その日の園児の様子を保育日誌に書きます。タブレットやスマホを使い、入力や保護者との共有をしやすくしている園も増えています。保育日誌に保護者からの悩み相談や家庭の様子も書かれている場合、丁寧に答えます。
・週案・月案などの書類物や、制作物の準備
・園の入り口に食べた昼食メニューの写真張り付け、クラスの入り口に本日の活動を簡単に記入 など
〇おやつ(15時~)
子どもたちが起きたらおやつタイムです。トイレ、手洗いがすんだら椅子に座れるよう準備をしておきます。
全員が揃ったら「いただきます」をして、保育士も一緒に同じものを食べます。
「一緒に食べる喜び、というのがやはり大事であり、保育士としても楽しいひと時です」
〇降園(16時~園が閉まるまで)
おもちゃを広げて自由遊びの環境を作り、お迎えにきた保護者の対応をします。「お帰りのお歌」を歌い、子どもたちに帰りの時間だと合図する園もあります。
「お迎えが遅い子が多い場合は、ビデオを見せます。保育士の負担がぐっと減ります」
「子どもたちが全員帰ったら遅番の保育士が最終の片づけ、掃除をします。勤務時間に余裕があれば、次の日の遊びの準備をセッティングしておきます。最後に戸締りをして、一日の仕事は終了です」
保育の仕事は早番の時間から遅番の時間まで、長くて11時間以上にわたりますが、実際は交代で休憩をとり、フルタイムの方は8時間程度、パートタイムの方は相談に応じて、シフト制で勤務することとなります。
仕事内容は園によって違いがありますので、「就職を検討している園の1日の仕事内容が知りたい」という方には、園見学をおすすめします。いばらき保育人材バンクではスタッフ同行による園見学を随時受付中ですので、お気軽にLINEまたは電話、メールでお問い合わせくださいね。
また、保育士資格を有する保育士が主となって子どもを担当しますが、資格を持たない保育補助者も保育士のサポート役として保育に従事することができます。集団から外れた子どもの補助、清掃、保育日誌の一部の記入などを行うことが多いようです。
保育補助者として現場で勤務しながら保育士試験を受験し、資格取得をめざす方も多くいます。「保育士資格は持っていないけれど、保育の仕事がしたい」という方は、まずは保育補助者としての就職も検討されてみてはいかがでしょうか。