保育お役立ちコラム
保育施設の感染症対策
子どもたちの健やかな成長を守るため、保育施設では感染症対策が欠かせません。
まだまだマスクの着用や手洗い、咳エチケットなどが難しい子どもたちも多いですよね。
乳児は、床をハイハイしたり、手に持ったものを口に入れたりすることもあります。
午睡や給食、遊びの時間など、子ども同士が密接に接触する機会が多いことから、飛沫感染や接触感染が生じやすいことに留意が必要です。
そこで今回の記事では、こども家庭庁のホームページに掲載されている「保育所における感染症対策ガイドライン」をふまえ、保育施設で働く職員に求められる感染症対策について解説します。
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〇感染症とその三大要因
感染症が発生するためには、以下の3つの要因が必要です。
・病原体を輩出する「感染源」
・病原体が人、動物等に伝播する(伝わり、広まる)ための「感染経路」
・病原体に対する「感受性」が存在する人、動物等の宿主
保育施設では、全職員が感染症の三大要因と主な感染症の潜伏期間や症状、予防方法について知ったうえで、嘱託医や医療機関、行政の協力を得て、感染症対策を推進することが重要です。
〇入所時の対策
子どもの予防接種歴及び罹患歴を把握するため、母子健康手帳を確認します。入所後も毎月、新たに受けたワクチンがないか保護者に確認し、記録を更新します。保護者の記憶だけを頼りにせず、母子健康手帳等の記録を確認することが重要です。また、必要な予防接種を受けていない子どもについては、嘱託医と相談し、保護者に対し、予防接種の重要性について説明します。
〇登園時の対策
毎朝、検温と体調チェックを行います。発熱や下痢、嘔吐など、はっきりとした感染症の症状がみられる子どもは登園を控えてもらい、施設内で急に発病した場合には医務室等の別室で保育します。
〇園内での対策
👐手洗いの徹底
手指を清潔に保ち、接触感染を防ぐため、全ての職員が正しい手洗いの方法を身に着けて徹底することが求められます。また、子どもの年齢に応じて手洗いの介助を行うとともに、適切な手洗いの方法を指導することが必要です。
🌟施設の衛生管理
発症者が直接触った物を中心に消毒を行います。嘔吐物、便、血液等の体液が付着している箇所は、それらを丁寧に取り除き、適切に処理した後に消毒を行います。消毒には適切な「医薬品」及び「医薬部外品」を使います。
📝職員の体調管理
職員が感染しており、知らない間に感染源となる場合があるため、職員の体調管理にも気を配る必要があります。咳やくしゃみを人に向かって発しない、咳が出るときはできるだけマスクをするといった咳エチケットを日常時に実施しましょう。
📝情報共有の徹底
保育士は、感染症の症状と対処法の研修を定期的に受けることが大切です。また、発生状況と注意点の連絡など、保育士と保護者で情報を共有することも、拡大防止に役立つでしょう。
以上、「保育所における感染症対策ガイドライン」から一部の内容をご紹介しました。正しい手洗いの順序、感染症の種類と症状など、より詳しい情報は、以下のリンクからガイドラインを開いてご確認ください。
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/cc94d067/20240205_policies_hoiku_86.pdf
一度感染症が発生すると、保育施設内であっという間に広がってしまう恐れもあります。重症化するリスクも無視できません。
普段の園生活から、子どもの健康と安全を第一に考えた対策をとることが必要不可欠!
医療機関や行政との連絡を密にとりながら、保育施設全体で感染症対策に取り組むことが重要です。